AGAのセルフチェック方法は?
AGA(男性型脱毛症)とは思春期を超えた男性に起こる脱毛症のことで、前頭部(おでこや額)や頭頂部(つむじ付近)の毛量が減り、最終的には毛が生えてこなくなってしまいます。
AGA(男性型脱毛症)のメカニズムについて詳しくはこちらをご覧ください。
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一度発症したら自然完治することなく、20代に発症しても気が付かず放置し、そのまま年齢を重ねて周りに指摘されてやっと気が付く人も中にはいらっしゃいます。そのくらい、AGA(男性型脱毛症)の自覚は難しいです。
5年前、10年前に比べて「抜け毛が増えた」「額が後退してきた」、「つむじがはっきりしてきた」など感じる場合は、AGAを発症している可能性もあります。
今回は薄毛の自覚症状が出た際に、あくまで本格的な医師の診察の前に自身がAGAであるか否かの可能性の目安を図る為の自宅で簡単に出来る簡易的なAGAのセルフチェックの方法をご紹介します。なお、セルフチェックの結果によってはAGAを発症している恐れがありますが重ねてになりますがあくまで目安になりますので、ご心配な方は医療機関に相談することをおすすめいたします。
Q1,親族にAGA(薄毛)の人がいるか
親族に薄毛の人がいる場合、AGA(男性型脱毛症)を発症するリスクが高いです。これはAGAの発症の原因でもある5αリダクターゼの活性度と、5αリダクターゼによって変換されたDHT(ジヒドロテストステロン)を受けるレセプターの感受性が親からの遺伝によって引き継ぎやすいと考えられています。
5αリダクターゼの活性度は優性遺伝ですので、両親の一方が遺伝子を所有していれば、子にも遺伝しやすいと言われており、活性度が高ければ5αリダクターゼは過剰に生成されます。
また男性ホルモンの受容体(レセプター)の感受性が高いと、生成されたDHTと結びつきやすいためAGAの発症につながります。これは隔世遺伝ですので、ご両親が遺伝子を持っていなくとも、その前に遺伝子を持つ先祖がいると、受け継ぐ可能性があります。
Q2,最近抜け毛が増えたか
例えば入浴時、排水溝にたまる髪の毛の数が多くなったり、ご自身の枕に抜け毛が大量についていたりしてはいないでしょうか。
AGAを発症すると、髪の毛が生え変わる時期が極端に短くなります。通常2~7年程度で抜け毛と発毛を繰り返しますが、抜けるまでのスパンが半年~1年にまで期間が狭まりますので、髪の毛が抜ける量が通常の時よりも増えます。
髪の毛の抜ける量が増えたと感じる場合、AGAを発症している場合が高いため医療機関に相談しましょう。
ヘアサイクルについて詳しくはこちらをご覧ください。
Q3,おでこ上の生え際が後退していないか
AGAで特徴的なのが、発症後の髪型です。AGAを発症すると、頭頂部と前頭部の後退が進んでいき、ある程度進行にパターンがあります。その中でも自分で見つけやすいのが前頭部(おでこ)です。
こちらのイラストは「ハミルトン・ノーウッド分類表」と呼ばれ、AGAの進行パターンをまとめた指標になります。
ハミルトン・ノーウッド分類について詳しくはこちらをご覧ください。
このように、AGAを発症後は額(おでこ)、頭頂部のいずれか、または両方から頭皮が露出して地肌が見えやすくなっていきます。
以前よりも額が大きく見えるようであれば、AGAを発症して進行している可能性が高いため要注意です。
Q4,髪の毛が細くなっていないか
AGAを発症すると、ヘアサイクルが乱れることにより髪の毛1本1本の状態にも変化が起こります。
成長期が短くなった髪の毛は、次の毛が生えてきたとしても太く長く育たずに抜け始めるため、細くて短い髪の毛となる「ミニチュア化」を引き起こします。これにより、髪の1本の価値、いわゆる頭皮を隠すための能力が著しく低下し、全体として頭皮が露出し薄毛が目立つようになっていきます。これがAGAによる髪のミニチュア化です。
「数年前よりも髪の毛が細くなった」と感じる方はAGAを発症している可能性があります。
Q5,頭頂部やつむじの毛が薄くなってきていないか
つむじ付近の髪の毛が薄くなっていたり、つむじが以前よりも大きくなったと感じたりしている場合はAGAの疑いがあるため要注意です。
「Q4,髪の毛が細くなっていないか」でも触れましたが、AGAを発症するとその進行パターンは、「前頭部が後退する」と「頭頂部が薄くなる」に分かれます。おでこが広くなっていなくとも、つむじ付近の髪の毛が薄くなっていることも大いにあり、AGAの可能性が高いため、早めに医療機関の受診をしましょう。
自分がAGAかどうかを判断するには?
AGA(男性型脱毛症)は放っておくと、薄毛が進行して最終的には毛穴から毛髪が生えてこなくなります。そうならないためにも、AGAは早期発見・早期治療をする必要があり、早ければ早いほど出費も安価になります。
しかしながらAGAの症状は、風邪のような咳や発熱などどいったわかりやすい症状ではないため、早期発見が難しいです。AGAの症状は「抜け毛」、「頭部が薄くなる、生え際が後退する」という、日常に溶け込んでしまい、ある日突然症状を自覚するというわけではありません。
AGAを自覚したときにはAGAが進行して、フィナステリドを用いた進行予防薬だけでは進行を止めることが出来ず、発毛薬のミノキシジルも必要になる場合があります。また、進行を長期間放置し、進行が著しい場合には植毛治療※1を選択せざるを得ないという方も中にはいらっしゃいます。
そうならないためにも、AGAについての基礎知識をしっかり持っておきましょう。
※1:髪の毛の移植、外科手術。
AGAの初期症状とは
AGAの初期症状は抜け毛が増えることです。しかし、髪の毛が抜けたからと言って全員がAGAである、というわけではありません。
髪の毛は1日に約100本前後抜けており、これはAGAの方もそうでない方も等しく起こります。その中で、髪の毛が抜ける量が2倍、3倍に増えてしまうのがAGAです。
AGAを発症しても、突然髪の毛が一気に抜けるわけではありません。日常生活を送る中、例えば入浴時や就寝、髪の毛を縛るなどの行為でも頭皮に刺激が加わるため簡単に抜けており、これらはAGAを発症していない人にも同様に起こっています。
しかし以下のような状況であれば注意が必要です。
- 入浴後に排水溝がいつも詰まってしまう(詰まる頻度が多い、または掃除の回数が増えた)
- 枕に首がかゆくなるほどの抜け毛ついている
- 床に落ちている髪の毛がきになる(髪の毛のために掃除する回数が増えた)
- 髪の毛が濡れた時に量が少ないと感じる(頭皮が透けて見える)
いずれも抜け毛が通常時よりも多くなった時に感じやすい状況です。このように感じてしまう頻度が多くなる前に対処する必要があります。
AGAの遺伝子検査
AGAの遺伝子検査について詳しくはこちらをご覧ください。
AGAに関する悩みは医師に相談してみよう
AGAは早期に自覚して正しい処方をすれば、治療費や治療期間が大幅に削減できます。しかしAGAを初期の段階で自覚するのは、日ごろから髪の毛に対して敏感になる必要があるほど困難です。
排水溝や部屋の掃除の頻度が増えたことや、枕の抜け毛の量などが気になりだしたらAGA予備軍と言えるでしょう。早めにAGAの自覚をし治療を開始すれば、それだけ元の毛量に戻りやすくなります。
とはいえ、明らかに抜け毛の量が増えたことや、額の広さが気になってきたことで自覚される場合がほとんどですので、そうなってから治療を開始しても遅くはありません。
「AGAかもしれない」と感じたらまずはセルフチェックで簡易的に確認し、その上でしっかり医師による確実な診察を受けることが重要です。AGAは進行性ですので「処置をせずに放置」しても症状は治まるどころか悪化してしまいます。その為、頭髪のことで気になり始めたら出来るだけ早期に医療機関に相談しましょう。
銀座総合美容クリニックではお問い合わせ頂いた方の頭部状態を確認し、ご希望があった場合のみ診察をいたします。AGAかもしれないと不安を抱えている方は、ぜひご相談くださいませ。