弊院に通院して頂いている患者様に良く質問を頂く物の中に「薄毛に効果的なシャンプーを教えてほしい」という声や「スカルプシャンプーと普通のシャンプーのどちらを使った方が良いのか」という普段使うシャンプーをどうすれば良いかというご質問やお声を頂くことが良くあります。
その為、今回はスカルプシャンプーはそもそもどんなシャンプーでどの様な効果があるのか、そして薄毛に良いとされているのはどんな成分なのか、そしてスカルプシャンプー選び方などを解説していきたいと思います。
目次
スカルプシャンプーは頭皮の為のシャンプー
そもそもスカルプシャンプー、あるいは育毛シャンプーと呼ばれているシャンプーは、その名前の通り頭皮(スカルプ)を洗浄することを第一に考えられており、髪の毛を洗う為の一般的なシャンプーと比べると頭皮を綺麗にする為の洗浄成分や、頭皮に栄養を加える成分などが配合されている物が一般的です。
また、頭皮を健康的な状態に保つ目的を持つスカルプシャンプーには、頭皮の皮脂を洗い落とす洗浄力の強く、頭皮の乾燥を防ぐために保湿力が高いものが多く存在します。
なお、頭皮を紫外線から守るバリアの役割をする頭皮の「皮脂」ですが、1日の終わりには皮脂が酸化したり埃などのゴミが付着して雑菌が繁殖しやすい状態になる場合があるので、毎日しっかりと洗髪する必要があります。
紫外線と薄毛について詳しくはこちらをご覧ください。
一般的に市販されているシャンプーとの違い
一般的に量販店やドラッグストアなどで販売しているシャンプーとスカルプシャンプーの違いは、以下の通りです。
スカルプシャンプー | 一般的なシャンプー | |
分類 | 医薬部外品/化粧品 | 化粧品 |
洗浄の目的 | 頭皮を清潔に保つ/頭皮の保湿 | 毛髪を清潔に保つ/髪質の改善やうるおいを与える |
頭皮の刺激 | 低い | 高い |
一般的なシャンプーは、頭皮よりも毛髪の潤いを与えることやダメージ補修などを重視しています。それに対して頭皮のことを考え、頭皮の皮脂を洗浄しすぎないように保湿成分が含まれていたり、肌荒れを防ぐような成分が入っていたりするのが「スカルプシャンプー」です。
薄毛に悩む方はスカルプシャンプーを使うべき?
基本的に一般的なシャンプーでも問題はありませんが、より毛髪や頭皮のことを考えるのであれば、スカルプシャンプーの使用をおすすめしています。
スカルプシャンプーには、臭いやフケ・かゆみなどに有効な成分が配合されていたり、頭皮の血行を促すような成分が配合されていることが多いです。代表的な頭皮の悩みに有効なため、皮膚科やAGA専門クリニックでもおすすめをし、クリニック内販売や監修をしているような商品もあります。
スカルプシャンプーの洗浄成分について
シャンプーには洗浄成分によって3つに分類され、それによって特徴や効果が異なります。
アミノ酸シャンプー
アミノ酸はヒトの皮膚や髪のタンパク質を構成する成分でもあり、肌と同じ弱酸性です。そのため頭皮への刺激が少なく、毛髪にもやさしい成分ですので、敏感肌の方や乾燥でかゆみが出るような方におすすめです。ただし洗浄成分の原料が高価なものが多いので、アミノ酸シャンプーは他のスカルプシャンプーと比べると少し値段が高価です。また、洗浄力が弱いので、時間をかけて丁寧に洗髪する必要があります。
アミノ酸シャンプーの代表的な洗浄成分
ココイルグルタミン酸Na/ココイルグルタミン酸TEA/ココイルグルタミン酸k/ラウロイルグルタミン酸TEA/ミリストイルグルタミン酸Na/ステアロイルグルタミン酸Na
高級アルコール系シャンプー
まず「高級」という言葉が使われていますが、高級品や高級な原料を使っている訳ではなく、炭素数6以上のアルコールの総称が「高級」と称されているだけで、品質の事ではありません。高級アルコール系シャンプーは泡立ちも良く、洗浄力が高いシャンプーです。なお、原料が石油由来で安価な為、コンビニやドラッグストアで販売している市販のシャンプーの多くが高級アルコール系に分類されます。ただ、洗浄力が高く、頭皮や毛髪への刺激が強いため、肌合わない人も多いのが実情です。
高級アルコール系シャンプーの代表的な洗浄成分
ラウレス硫酸Na/ラウリル硫酸Na/ラウレス硫酸アンモニウム
石鹸シャンプー
洗浄力が高く、頭皮への刺激が弱いため、肌のトラブルを抱えている患者さんに皮膚科が勧めることもあります。皮脂汚れに強いので毛穴の汚れまでしっかりと洗い、清潔な皮脂を生成するサポートが可能です。ただし油分を取り除いてしまうので、髪の毛のきしみが気になる場合があります。また、石鹸カスが残りやすいので、使用する際にはしっかりとよくすすぎましょう。
石鹸シャンプーの代表的な洗浄成分
石ケン素地/カリ石ケン素地/脂肪酸Na/脂肪酸K
各洗浄成分のメリットとデメリット
分類 | メリット | デメリット |
アミノ酸シャンプー | 頭皮への刺激が少ない/保湿力が高い/髪の毛の補修効果 | 原料が高いため高価/洗浄力が弱い/髪のボリュームが出ない |
高級アルコール系シャンプー | 安価/泡立ちが良い/洗浄力が高い | 過剰に皮脂を除去/頭皮への刺激が強い/肌が弱い人は向かない |
石鹸シャンプー | 洗浄力が高い/頭皮への刺激が少ない/保湿性が高い | 髪のきしみがでる/石鹸カスが残りやすい/泡立ちが悪い |
スカルプシャンプーの選び方とは
それぞれのメリットとデメリットをご紹介しましたが、何が一番優れているというわけではなく、頭皮の状態によって選び方とはが変わりますので、おすすめするシャンプーが異なります。
頭皮の乾燥が気になる人はアミノ酸系シャンプー
乾燥肌や敏感肌の方は、皮脂を落としすぎない保湿重視のアミノ酸シャンプーの使用がおすすめです。頭皮にかゆみやフケがある方は、頭皮が乾燥してかさつくことでかゆみに繋がっていたり、皮脂が足りていないためターンオーバーのサイクルが早まって角質がはがれてしまったりしている状態が頭皮で起きています。洗浄力が高い高級アルコール系や石鹸素地のシャンプーではなく、保湿重視のアミノ酸シャンプーで頭皮の環境を整えてあげるのが良いでしょう。
頭皮のべたつきやスタイリング剤を使用する人は高級アルコール系
高級アルコール系のシャンプーは過剰に皮脂を取り除いてしまいますが、その高い洗浄力をもってすれば、ハードなスタイリング剤も洗浄することが可能です。また、フケやかゆみなどの悩みもなく、パーマやカラーで髪も痛んでいないような方は、高級アルコール系シャンプーでも問題はありません。ただし、洗浄力の高い製品ですので、頭皮に違和感を感じたら使用をやめてください。
頭皮の違和感やつっぱりについて詳しくはこちらをご覧ください。
頭皮のべたつきや敏感肌の人は石鹸シャンプー
頭皮がべたつくほど皮脂が出ている場合は、皮脂を除去し、頭皮にうるおいを与える必要があります。石鹸シャンプーは洗浄力も高く、保湿力もある製品が多いので、さっぱりとした洗い上がりと、頭皮のつっぱりを抑えてくれるでしょう。AGA(男性型脱毛症)を発症している人も皮脂の分泌量が増えるため、AGAクリニックでも処方するシャンプーです。
AGAについて詳しくはこちらをご覧ください。
関連: AGA(男性脱毛症)のメカニズムと薄毛の治療方法を詳しく紹介
スカルプシャンプーの効果とは
多くの方がスカルプシャンプーの広告やCMで「髪が生える」という効果を期待して購入される方がおりますが、基本的にスカルプシャンプーに発毛効果のある成分は配合されていません。スカルプシャンプーはあくまでも医薬部外品や化粧品に分類するものです。医薬品ではないので、治療を目的としていません。
では、スカルプシャンプーにどの様な効果を期待すべきかという点においては、あくまでも頭皮の汚れや余分な皮脂を洗い流し、毛髪が育ちやすい環境を整えてあげるのが正しい効果と役割です。
頭皮の環境が悪いと毛髪は正常に成長できない
ではなぜ毛髪が育ちやすい環境が必要かというと、頭皮に汚れが付着したままだったり、皮脂汚れで毛穴がふさがっている、あるいは栄養が不足していたりすると、髪の毛は太く長く成長することができません。長く太い髪の毛が密集していることで頭皮は覆われている状態ですが、栄養不足で細い毛や、毛穴に皮脂が詰まった状態で育ったうねった毛では、頭皮を覆うことが難しくなります。
抜け毛が多い場合は医療機関へ相談を
1日の脱毛量が100本程度であればヘアサイクルによる自然な脱毛と言えますが、200本や300本の脱毛となってくると、別の原因が考えられるでしょう。シャンプーが肌に合っていないことでかぶれて脱毛しているケースや、AGA(男性型脱毛症)のように、内側の原因で脱毛量が増えてしまっているケースも考えられます。
抜け毛が増えてきた、頭皮が透けて見えるようになったと感じた場合は、一度薄毛治療を専門に診察している医療機関へ相談してみると良いでしょう。
銀座総合美容クリニックでは「常に患者さん目線でのクリニック運営」「患者満足度のより高いAGAクリニックを目指す」をクリニックの運営理念に掲げ薄毛に悩む患者様と日々真摯に向き合っており、無料カウンセリングを対面・オンラインともに常時承っております。